プロジェクト紹介/現場レポート

  • 保健医療
  • 2021年06月 ~2023年03月
  • プロジェクト調査
【アフリカ地域全般】
アフリカ地域保健分野及び感染症対策課題対応力強化のための情報収集・分析業務

アフリカ諸国では、著しい経済成長を遂げる一方、依然として基本的な保健医療サービスにアクセスできていない層がいることや、2014年以降の西アフリカにおけるエボラウイルス病の流行のように脆弱な保健システムが感染症の蔓延を長期化させてきたことから、強靭で持続可能な保健システムの構築が不可欠である。

日本政府は2019年に開催された第七回アフリカ開発会議(TICAD7)において、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)拡大とアフリカ健康構想を表明し、300万人の基礎医療アクセスや衛生環境の改善、健康保険の普及などを目標として掲げた。JICAは、強靭で持続可能な保健システム構築のため、これまでアフリカ各国において保健行政の能力強化や医療保障制度の支援、感染症対策、母子保健サービス改善、保健人材開発などの協力を展開してきた。

特に感染症については、世界エイズ・結核・マラリア対策基金を中心とした取り組みにより過去15年間にHIV/エイズ、結核、マラリアの感染はいずれも減少し、MDGsの関連目標は達成されたものの、いまだ年間1,000万人が感染症で死亡していると推計されている。現在でもアフリカ、一部の東南アジア、東地中海地域では死因の1位であり、これら3地域における感染症による死亡数は全世界の感染症による死亡数の約80%を占める。また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザ、エボラウイルス病、ジカウイルス感染症、黄熱病、コレラ等の新興・再興感染症が突発的に発生し、気候変動や災害、開発に伴う野生動物との接触の増大、人やモノの国境を越えた移動などと相まって世界的な脅威となっている。これらに加え、トリパノソーマ、フィラリア症などの「顧みられない熱帯病」にも継続した対策が不可欠である。

2014年、米国政府の主導により、各国が国際保健規則(IHR)を踏まえて感染症全般を予防・発見・対応する能力を強化するための計画である世界健康安全保障アジェンダ(GHSA)が策定された。現在、同計画を確実に実行することの重要性がドナー社会において益々強調されているところである。また、2020年初頭から全世界に拡大したCOVID-19についても保健医療分野の脅威のみならず世界的に経済・社会に多大な影響を与えており、強靭な保健システムが、将来起こりうる感染症等の公衆衛生上の危機に備える体制整備に不可欠なものであるということが国際的に認識共有されている。

JICAは、保健医療分野の事業の推進及び2022年に開始予定のTICAD 8の準備のためにアフリカ諸国の保健分野の基本的な情報を収集するとともに、三大感染症や新興・再興感染症を主とする世界の感染症に関する専門的情報の収集、課題分析を行うことを決定した。当社は、当該調査に協力するため、コンサルタントを派遣し、各国・地域に対する協力方針を検討し、国際会議・研究等の世界的潮流にJICAの考え方を適切に反映させるための取り組みに従事している。

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