プロジェクト紹介/現場レポート

  • 保健医療
  • 2023年06月 ~2025年03月
  • 国内役務
【アフリカ地域、全世界】
アフリカ地域保健分野及び感染症対策課題対応力強化のための情報収集・分析業務(2023-2024 年度)

JICAはこれまで、感染症対策に重点的に取り組む一方、横断的な課題である保健行政能力の強化、保健医療サービスへのアクセス改善と質の向上、保健人材育成など包括的な保健 システム強化を目指し、相手国の取組を支援してきました。またグローバルアジェンダの一つに、感染症対策・検査拠点強化クラスター があり、感染症の流行拡大を防ぐため、検査・診断技術を強化して将来の健康危機への備えに貢献することを目標としています。 

感染症の世界的な被害拡大に対しては、これまで、UNAIDS、グローバル・ファンド、 STOP TB パートナーシップなどの組織が、豊富な資金と世界的に統一された戦略を途上国に提供することで、対象となる感染症対策に大きな影響を与えてきましたが、疾患別アプローチにはデメリットもあり、保健システム強化のための水平アプローチへの移行も進んでいます。新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の大流行を踏まえ、現在は、保健システムの強化とコミュニティの関与にも焦点が当てられています。また近年、人、動物、植物、そして我々の環境の相互作用 が変化する中で、ワンヘルスの取り組みの重要性が増してきています。

アフリカ地域において、三大感染症(エイズ、マラリア、結核)による死亡率は減少傾向にあるものの、他の地域に比べ高く現在も大きな課題となっています。また感染症だ けでなく、栄養不良、高い母子の死亡率、生活習慣病の脅威にも直面しています。このような保健医療分野における課題は、人々の健康だけでなく、その国の経済成長にも大きな負の影響をもたらしています。また、グローバルな健康安全保障を守り、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC)達成 13 に向けた進展を持続的なものにする保健システム強化の重要性の認識も高まっています。特に、資源が乏しく、長引く紛争、貧困、基本的な保健サービスへのアクセスの欠如が著しいアフリカ諸国において、持続可能な保健システムの構築は不可欠です。

 弊社は、本業務に対し3名の職員を配置し、アフリカ諸国の保健分野の基本的な情報について収集すると同時に、三大感染症や新興・再興感染症を主とする世界の感染症に関する専門的情報の収集、課題分析を支援します。また、JICA が各国・地域に対する協力方針を検討し、国際会議・研究等の世界的潮流に JICA の協力方針を適切に反映させるため、必要な情報収集と分析を行っています。

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