プロジェクト紹介/現場レポート

  • 保健医療
  • 2011年02月 ~2014年03月
  • 技術協力プロジェクト
【ザンビア】
都市コミュニティ小児保健システム強化プロジェクト

ザンビア国(以下「ザ国」)は、1991年の保健改革以降、郡保健局を中心とした保健政策への移行を進めたが、郡病院及びヘルスセンターでは人材及び機材の不足が著しく、基礎的な小児保健医療サービスの質は停滞したままであった。そこでザ国政府は、国際的な潮流に倣い、1996年から保健改革の重点概念の一つである住民参加及び住民組織能力強化に沿って、家庭やコミュニティにおける小児ケアの改善を目的にCommunity-IMCI(C-IMCI)を導入した。2009年の段階で、C-IMCIはザ国74郡の全ての郡で展開されていたが、形式的な枠組みを超えたシステム強化が課題となっていた。

カウンターパートであるザ国保健省は、首都ルサカ市において成果をもたらした先行案件で蓄積された都市貧困地域における小児保健サービスのノウハウを活用し、ルサカ市と同様の課題に直面する他の地方都市に展開する技術協力をJICAに要請し、当社は専門家を派遣し、プロジェクト運営に直接従事した。一般的な小児保健(特に予防保健)に係るサービス改善アプローチを採用しつつ、疾病罹患の背景にある劣悪な環境衛生の改善をPHAST(コミュニティの行動変容を促進するモジュール)の活用を通じて目指したこと、また研修を通じて保健ボランティアの潜在能力を引き出し、地域の保健施設と協働しながらコミュニティにおける保健活動を実施していく体制を、収入創出活動などを採用しながら進めた点が特殊であり、高い相乗効果が確認された。結果として、肺炎、下痢、マラリアなど、乳幼児の感染症にかかる罹患率やその根本原因となっている栄養失調も減少し、当初期待された成果の多くが達成された。

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