プロジェクト紹介/現場レポート

  • 基礎教育
  • 2019年02月 ~2022年01月
  • プロジェクト研究
【アフリカ地域】
アフリカ地域におけるコミュニティ参加を通じた『子どもの学びの改善』モデルの開発・スケールアップ

アフリカ地域は、基礎教育へのアクセスにおいて、過去数十年間で飛躍的な拡大を遂げた。1970 年時点で同地域の粗就学率は 68%だったが、2010 年には100%を越えた。しかし、学習の質は依然として深刻で、学校教育が子どもの学びに結び付いていないことが課題となっている。特にサブサハラ地域では、学齢期の子どもの8割以上が最低限の読み書き・計算スキルを習得していないと推計されている (UNESCO 2017)。『世界開発報告書2018』には、学習の質が低い原因として、子どもの学習体制、教師のスキル・動機付け、教科書などの学習・指導ツール、学校運営の4つの面で十分に整っていないことを挙げ、これらの課題に対処するためには、学校がすべての子どもたちの学習の場となるようにエビデンス(科学的根拠)に基づいて処方箋を検討し、全関係者が連携して学びに焦点を当てた総合的な仕組みを構築することなどが必須とされている (World Bank 2017) 。

 JICAはアフリカ地域の複数国において、コミュニティ参加型の教育プロジェクトを実施してきた。特に西アフリカ地域及びマダガスカルで実施中の「みんなの学校」プロジェクトでは、コミュニティと学校の協働により子どもの学習環境を改善するため、学校から中央レベルを通じて学校運営に係る能力強化を行うとともに、コミュニティの参加を通じた学校運営の改善や子どもの読み書き・計算学習の支援にも取り組んでいる。ただし、算数ドリルを含む現在のモデルを大規模に拡大するためには資金面でパートナーが必要であり、より費用対効果の高いモデルを開発するニーズも高い。

  これらの成果と教訓を踏まえ、JICA は第七回アフリカ開発会議(TICAD 7)に向けて、コミュニティの参加を通じた基礎学力(特に読み書き・計算スキル)向上のためのモデル検討とアフリカ地域におけるスケールアップの方策を検討している。同モデルにおいては、費用対効果・普及可能性の高い教授法、教具・教材や、それらが国・地域・学校レベルで機能し普及するための仕組み(行政官や学校委員会によるモニタリング体制など)をパッケージとして検討する必要がある。また、アフリカ地域においてコミュニティ参加型の教育モデルを中長期的に展開していくにあたり、これまで同種のプロジェクトを実施していない国においても、本案件を通じてその導入の可能性を検討する。

  なお、基礎教育分野では、数多くのインパクト評価が実施され、そのエビデンスに基づいた優良モデルの選別が進みつつある。本調査研究においては、国際教育開発業界で蓄積されたグローバルなエビデンスと現場の経験に基づいてモデルを検討し、パートナー機関との連携も意識したモデル開発とスケールアップの方策を検討する。

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