中央子ども病院サービス向上プロジェクト

シエラレオネは、1991年から2002年まで続いた内戦により社会・経済等が壊滅的な打撃を受け、保健サービスは質、量ともに著しく低下した。同国政府は、その後英国などの支援を受け、保健所の新規設置、人材の育成に取り組み、2012年には母子を対象とした無償医療も開始され、保健サービスへのアクセスの改善が図られた。しかし、20145月に端を発したエボラウイルス病の感染拡大により、基礎的母子保健活動の実践が再び困難な状況に陥った結果、乳幼児や妊産婦の健康指標は、サハラ以南のアフリカ諸国と比較しても劣悪な状況にある。

同国政府は、「国家保健セクター戦略計画2017-2021」と「母子保健戦略2017-2021」で「母子保健サービスの質の向上」を掲げ、様々な取組みを行っているものの、課題は山積しており、目下新型コロナウイルス感染症の世界的拡大が追い打ちをかける中、基幹病院のサービス改善が喫緊の課題となっている。

シエラレオネでは、重篤状態の小児患者は、国内唯一の第三次小児専門病院である首都フリータウン市にあるオラ・ドゥリン子ども病院(以下「ODCH」)が対応することになっている。しかし、施設の老朽化、機材や医薬品の不足、無償医療制度が逆に足かせとなり、医療サービスの質は低く抑えられ、専門病院としての機能を十分に果たしていない。

本プロジェクトは、国際協力機構(JICA)が進める「中央子ども病院強化計画」(無償資金協力:2023年完工)を通じて、ODCHの機能の大方を新たに建設される施設に移転し、機材を整備するハードコンポーネントに合わせ、小児医療サービスの質を向上させることを目的としている。具体的には、全般的な看護ケアに加え、外科病棟などの新機能を稼働させるべく、専門性の高い看護能力の強化を行い、また新病院において一層重要となる医療機器維持管理能力と、それらを支える基盤としての病院運営能力の強化を促すことにより、無償資金協力事業と技術協力の相乗効果の意義を高めるものである。

当社は、本事業にコンサルタント2名を派遣し、他の援助機関や関係者と協力し、新しいODCHにおける安全で良質なサービス提供体制の構築を支援する。